■blog vol4: 自然農法あれやこれや
京都・洛西で自然農法をめざしたこだわり野菜の生産販売をしています
PlantsPlanetぷらぷら 広報担当の嫁です。
そもそも自然農法って?
目指していると言いながら、近いようで遠い自然農法。そもそも一体自然農法って何なのか、ですが。
【自然農法とは】農法の1つ。
日本で初めて提唱し取り組みを開始した岡田茂吉の考え方は、「農薬や人糞肥料・化学肥料を⼀切使⽤せずに、枯れ草や藁などで堆肥を作って⽥畑に還元し、⾃然界の⼟壌と同じ⽣命⼒溢れる⼟を作り出し、⾃然の仕組みを上⼿に再現した農産物⽣産⽅法」であり、映画「いきている土」でも紹介されている。この方式を踏襲しているのが、公益財団法⼈⾃然農法国際研究開発センター、⼀般社団法⼈MOA⾃然農法⽂化事業団、公益財団法⼈農業・環境・健康研究所などである。
次に、福岡正信などが提唱したのは、「不耕起(耕さない)、不除草(除草しない)、不施肥(肥料を与えない)、無農薬(農薬を使用しない)」を特徴とする農法。なお、法律(JAS法等)では「自然農法」、「自然栽培」は定義されていない。
(ウィキペディアより引用)
…だそうです。私は定義だけ見てもピンと来なくて、ぷらぷらさん(主人)に本を借りて読んでみました。
興味ある方は自然農法とは何ぞやの入り口として読んでみるのも良いかもしれません。
農法にはどんな種類があるの?
「慣行農法」「有機栽培」「自然農法」色々ありすぎてよく分からない!…そんな自分のために(?)一覧にしてみました。
農法名 | 慣行農法 | 有機農法 | 自然農法(※3) |
耕す | 〇 | 〇 | × |
除草 | 〇 | 〇 | × |
マルチ | △(※1) | 〇 | × |
農薬 | 〇 | △(※2) | × |
化成肥料 | 〇 | × | × |
有機肥料 | 〇 | 〇 | × |
枯草・ワラ | △(※1) | △(※1) | 〇 |
機械化 | 〇 | △(※1) | × |
収量 | 多い | 中程度 | 少ない |
※1)作り手によって各々 ※2)有機JASにより定められた種類の農薬を使用 ※3)福岡式の場合
一覧を作って思ったのですが、個々のやり方によって幅が広いものなのかなぁと思いました。
ぷらぷら畑について
現状、ぷらぷらの畑はどのくらい自然農法に近づいているのか?ですが、
・不耕起〇…一度畝を起こしたら再度耕すことはしていません。
・不除草△…根っこは取り除かず野菜の収穫と同時に上だけカット。
・不施肥×…苗育成時や植え付け時に植物性堆肥を施肥しています。(詳細はHPの「commit」を参照)
・無農薬△…市販品をはじめ農薬として定義されているものは「意図して」使用していません。
無農薬じゃないの?
農水省のHPでは農薬の分類に「天敵」まで入っています。
そういう意味ではうちの畑、アブラムシを食べてくれるテントウムシはわんさかいるし、小さい羽虫を食べているであろうカエルたち、クモもあちこちに。青虫を好物とする鳥たちもひっきりなしに飛来してます。意図的に捕まえて放つようなことはしてません、あるがままにしています。
そして無農薬と言い切れない理由がもう一つ。周囲に他の方の畑や田んぼがある限り、地面がつながっている限り、空気が遮断されていない限り、「自分のとこの敷地で意図的に散布してなくても農薬がかかる可能性はある」からです。(無いものを証明するというのは何と難しいことなのか・・・)
ですので、私たちがお伝え出来ることとすれば「自発的に意図して農薬の使用はしていない」ということで、当HPでは「農薬不使用」と表現しています。
自然農法を目指しているのは、極力自然の生態系に手を加えたくないことが一番にあります。世代を経ても循環できる姿で作物を育てたい、
本来自然界に必要のないもの、利便性を良くするためにだけ使われているものをなくす・減らすことを進めたいから。
例えば、ビニールマルチは土を保温し、雑草を防除し、害虫を減らし、雨によって肥料や土壌が削られることを防いだりします。一見とても便利ですが他の視点から考えると、自然界では分解されず残り(※最近は生分解性のものもあります)雑草が生えない=土中の根のが少ないため、根から出る有機酸による土中ミネラル分の吸収は減るかもしれません。生えるはずの雑草がないため虫たちの住処や餌の場所がなくなっています。
農薬や化成肥料を駆使して育てる方法も、上記のような自然農法もどちらも「農業」。何を選択するか、どうありたいかは各々だと思います。
自然農法の良いところ、悪いところ
ここまで読んで「断然自然農法でしょ!」と思った方に、私の視点で見る自然農法の良いところをご紹介します。
【良いところ】
①小さな生態系が楽しめる
野草の花に飛び交うハナバチ、テントウムシ、蝶々など沢山の虫たちの姿が楽しめます。
②宝探しのような収穫
野草たちと共に育つ野菜たちは、まるで宝探しです。
例えばこの写真から収穫できるお野菜、どれか分かりますか?
正解は
こちらはちょっと難しい?
正解は
拡大するとこんなかんじ。ラディッシュの赤い部分が見えます。
手間がかかるため、果たして良いところとして挙げて良いかは難しいところですが、私にとって収穫は発見が多く楽しい作業です。
【悪いところ】
①お野菜がゆっくり・小さくしか育たない
スーパーに並ぶ規格品のようなお野菜になるには慣行農法に比べ長い時間を要します。また、無施肥のため小さめに育ったり。
よその畑ですくすく育つお野菜たちを見ながら、焦ることもしばしばありますが、比較的長い期間少量ずつ収穫できるのは逆手に考えると良いところかもしれません。
②虫の食害などが発生する
土に力がなかったり、苗の育成が悪いと虫の食害も増えるようです。ただ、ある程度は自然のバランスで天敵が現れて食害が収まります。うちの畑では、この時期になるとアブラムシが出てきます。大丈夫かなあと思うや否や、天敵のヒラタアブの幼虫たちが出てきます。食欲旺盛で1匹で30匹ものアブラムシを1日で食べちゃうという話も。他にもテントウムシなどが活発に動きだします。
ですので、うちの畑ではあるがままに任せます。
これからもPlantsPlanetぷらぷらは自然農法を目指し、自然の力を借りてお野菜を育てていきます。
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