■blog vol17:ぷらぷらの有用植物(ブクブク編)

一日のうちで昼間が一番長い時期を迎え、ジリジリ暑い日も増えてきました。
京都・洛西にて農薬不使用などこだわり栽培のお野菜の生産・販売をしております。広報担当・嫁です。

植物が大好きな私たちですが、その理由の一つとして「有用である」ことも大きな魅力。今日はそんな有用な植物のご紹介です。

衣・住・食に関わる植物
植物たちは私たちの生活の根幹である衣・住・食に深くかかわっています。
食…はもうそのまま野菜や果物、穀物など食べない日はないくらいですし。
住に関しても木材を使った建築や、壁紙に至るまで原料は植物。
衣は綿花を使ったコットン生地のお洋服。このあたりは誰しもが関わっているかと思います。

もっと使える植物
では衣類を洗うとき、使用しているものは??石けんや合成洗剤以外の
第3の選択肢がありました。それは「泡立つ植物」!
小さい頃に図鑑で「水につけるとブクブク泡が立つ植物がある」という事を知り、いつかやってみたい!と思いを馳せておりました。
図鑑で知った時の写真は海外の方が川で洗濯に使っていたため、長い間、日本では存在しない植物なんだろうなー…と思い込んでました。思い込みって怖い。まさかこんな身近にあるなんて。

ブクブクのもとを知る
そんな身近で雨の日にブクブク泡立つ植物があってたまるかーと思われるかもしれないですが、気づいてないだけで結構あるんですよ。それが、「サポニン」を含む植物。サポニンは植物を食害する昆虫や小動物たちにとっての毒になります。
(引用:Wikipedia サポニン
植物の中には「サポニン」という物質を外的から守るために合成している種類が幾つかあります。植物って賢い。
・アケビ…生薬ではツルの部分が「木通」と呼ばれ、サポニンを含む。
・エゴノキ…初夏にうつむき加減のベル状の花を咲かせる。実にサポニンを含み魚毒性がある。
・キキョウ…根っこが漢方にも使われる。独特の苦み成分はサポニン由来。
・ヤマユリ…食べると強い苦味を感じるのはサポニン由来。
・大豆…食品添加物の乳化剤として使われている。大豆の水煮缶が泡立っていたり、お豆腐に消泡剤を入れるのは泡立つ成分であるサポニンが入っているから。
・緑茶…ペットボトルに入ったお茶が泡立ったり、茶道で茶せんを使ってお抹茶を立てる際に泡が出るのはこの性質から。
サポニンは両親媒性といって水と油を仲良くさせる性質を持っています。
この性質があるため、洗濯物についている汚れを水に溶かし「洗う」ことが出来ます。
そもそも何で泡が立つの?という話は化学的に話をするとめっちゃ長くなるので、サポニンという成分は水に仲良くできる部分と水を反発する部分を持っていて、水が引っ付きあう力を緩めてるから泡が立って長持ちするんだよー、ぐらいで思ってもらえるとありがたいです。もっともっと知りたい方は「界面活性」や「相溶性」「表面張力」について調べてもらうと理解が深まると思います。

泡立つ植物ご紹介
所変わってぷらぷら畑にて。ぷらぷらさん(主人)に、かくかくしかじか、わたしゃ泡立つ植物が見てみたいと話したある日のこと、「え?うちの畑に植えてるよ?」と言われ、びっくり。主人も見てみたくて育ててたんですって。それが「ソープワート」。ナデシコ科で、言われてみれば確かにナデシコっぽい花が咲いています。南ヨーロッパに多く自生し、草丈30センチ程度になるハーブです。初夏~夏に白やピンクの花を咲かせ、ガーデニングにも重宝されるそうです。

ブクブクするか挑戦
これで念願の泡立つ植物が実際にブクブクするか見られる!ということで水を入れた容器にちぎったソープワートを適量。ビンを振ると

明らかに泡立ちました!結構細かい泡がいつまでも残ります。青い夏の野草の香りがします。畑作業で手を洗う時に、水だけでどうしても汚れが取れないときはソープワートさんに頑張ってもらおう。

さらに挑戦!ソープナッツ
他にも「ソープナッツ」と呼ばれる植物が。その名を「ムクロジ」という大きな樹に実る実です。ムクロジは戦中戦後には石けんの代用品として実際にお洗濯に使われていたそうです。
また「ムクロジ」実の中にある種は固く、羽根つきに使われる羽の頭部分に使用されるそうです。他にも「むくろじ=無患子」という名前から、「子供が患わない(病気をしない)」という縁起の良い樹としても知られ、日本では昔から神社などにも植えられているそうです。

ワタシの住む京都でも、京都御●に生えてるという話を聞き、お散歩がてら上をみながら探して歩くということをしたことがありますが、残念ながら見つからず。(苦笑)実際の樹に生えているところは見たことがないのですが、SNSの仲良しさんから分けて頂き入手しました!(ありがとうございます!!)

初めて見たムクロジの実は、半透明の琥珀みたいな綺麗な色に、中には固い種。
種は取り外し(ぷらぷらさんが現在発芽に挑戦中。そのうち畑の一角がムクロジ林になるかも?)実の部分を小瓶にとって水を入れて振った姿がこちら。見事に泡立ちました。

お洗濯に使ってみます。洗濯槽45Lに対して実を10粒程度。洗濯ネットに入れて
みました。合成洗剤のようにもったりした泡は立たないです。でもなんとなく汚れは綺麗になっている。実にはアンズのような甘い香りがありますが、洗濯が終わっても特に匂いはせず。
実は繰り返し干して乾燥させて概ね10回はお洗濯に使えるそうですよ。エコで素敵。

さらにさらに挑戦!ソープナッツ
面白い素材を手に入れウキウキで色々試してみます。
普段使っている石けんシャンプーと、クエン酸リンスの間にこの「ソープナッツシャンプー」を入れてみました。手桶にお湯を張ってソープナッツを入れて泡立てシャンプー液を作ります。で、頭から手桶のお湯をざばー。んん?洗い上がりがいつもよりふんわりしている?
多分ですが、石けんのようにアルカリ性でなく中性のため、キューティクルが開かないのかしら?
髪の毛がさらっとしております。これは良いかもしれない♪くせっ毛ゴワゴワ白髪交じりの髪が梅雨時期にも関わらずさらっとしている。嬉しさ爆発。

先人の知恵だったり、植物の知恵を拝借しながら、日々の生活が面白楽しくなるって素敵じゃないですか。興味のある方はぜひぜひ挑戦してみてください!
以上「ぷらぷらの有用植物(ブクブク編)」でした。

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