■blog vol24:ぷらぷらのお野菜紹介 なす

ここ1週間の記録的な豪雨でぷらぷら畑の様子も随分変化してきました。季節は夏から秋に移ろいつつあります。広報担当・嫁です。

なすについて
今回ご紹介するお野菜は、ぷらぷら畑で長い期間収穫できる代表格の「なす」です。
ぷらぷら畑のナスを食べるまで、なすにこんなに種類があって味や食味が随分違うことを知りませんでした。よくある千両ナス、ちょっと良い和食屋さんで目にする賀茂ナス、泉州を代表する水ナス・・・知っていたのはたった3種類。皆さんはいかがでしょうか?うちの畑のナス達については後程ご紹介します♪

なすの原産地
ナスの原産地はインド東部だそうです。(引用:農水省「ナス」 どこから来たの?
原産地が大変暑い国だということもあり、太陽が大好きなお野菜。実の色づきは太陽光に大きく関係しているようです。(確かにぷらぷら畑でも日陰でできたナスは白っぽかったり紫が薄いように思います。品種によっては本来出るはずの薄い色の紫が真っ白になったり。)また、1000年以上も前から日本では栽培がされており、江戸時代にはとにかく早くからナスが収穫できるよう、こぞって栽培の技術を磨いたようです。現在は年中収穫ができるお野菜ですが、本来の旬は5月~10月。大変長いです。

なすの栄養価
なすは栄養がない!とか、ことわざで「秋茄子は嫁に食わすな」とか、喧嘩言葉で「ぼけナス」なんて言葉があったりと散々な言われ方をしているなすですが、さて気になる実際の栄養価は??(参照:食品成分データベース なす

ほとんど水分なのはblog キュウリに記載と同様です。カリウムが含まれているため、身体の熱を逃がし冷ましやすくする効果が期待できること、食物繊維で便秘や整腸作用がありそうです。
ところで、「ぼけナス(惚けナス)」っていう喧嘩言葉の由来は、なすが生育するにあたり、環境が整ってすくすく育つと危機感を感じず次の子孫である花実をつけないこと=恵まれた環境で育った出来損ないという意味があるそうです。他にも色艶が悪くイマイチの出来のものをぼけナスと呼んだりと、諸説ありますが栽培する側にとって良い状況でないことは伺えます。

秋茄子は嫁に食わせるべきか否か論争
さて、広報担当・嫁にとっても大問題。秋茄子はなぜ嫁に食わせるなと言われねばならぬのか?秋茄子おいしいのに!食べるななんて御無体な!!(←切実な食いしん坊)
先述のとおり、なすの原産は暑いインド。暑い地方の食べ物は、その土地で生きていくために必要な効果・効能を持っていたりもします。なすも先述のとおり、水分とカリウムを含むため、食べると身体を冷やすと言われています。季節が夏から秋に移行して気温の低下とともに体調を崩しがち。そこへ身体を冷やす食べ物を摂取すると、妊婦さん=お嫁さんなど体温を高く保つべき人にとって良くないとされたため、という説があります。
でもね、意地悪な説もあって。秋に採れるナスは旬の名残でとっても美味しいから嫁さんに食べさせるなんて勿体ない!!という説があるそうです。どちらが真実かは分かりませんが、秋茄子って…美味しいんですよねぇ。

ぷらぷらのナスたちご紹介
当畑には10種類弱のナスたちが毎年栽培されています。古くから栽培されていたお野菜なだけあって、品種も豊富。形状も多様です。
①千両なす
日本で栽培されるスタンダードな形状のなす。紫色の皮部分にはポリフェノールという抗酸化作用を持つ成分が含まれているそうです。食べるときはぜひ皮も一緒にお召し上がりください。

②白長なす
大変長い期間収穫が楽しめる表面がオフホワイトのなす。きゅうりのような細長い姿をしています。千両なすに比べてやや果肉も柔らかく長時間煮込みにすると溶けちゃいますが、火が通りやすく炒め物、さっと茹でてお浸しや和え物に。真っ白の姿ですが、火を通すと皮は茶色く変色しちゃいます。


③長緑
こちらは白長なすの緑版な感じ。細長く表面がエメラルドグリーンの姿のなす。食べ方も食味も白長なすとほとんど変わりません。

④うすむらさきなす
その名のとおり薄紫色が特徴の長なす。白長なすよりもやや果肉が固く、煮くずれしにくいです。こちらも白長なす同様とっても上品な味が楽しめます


⑤賀茂なす
京都の伝統野菜として有名なコロンと丸いなすです。肉質が緻密でずっしり重く、油との相性が良いため、揚げなすや田楽で楽しめるなすです。栽培に関しては収穫の時期が比較的短く、1株から採れる数も他のなすに比べて少な目。土壌の良い場所でないとなかなか良い品質のものが収穫しにくい気難しいやつです。


⑥埼玉青大丸なす
埼玉の伝統品種で巾着のような下膨れがかわいい緑色のなす。今年ぷらぷら畑では思いのほか豊作。煮崩れしにくく煮物にするととっても上品な味わい。油との相性が良いなすが多い中、このなすは煮物、漬物が美味しいです。


⑦西洋なすロッサビアンコ
イタリアの伝統品種のなすで、形状は賀茂なすのように丸くずっしりしているナス。イタリア語のロッソ(赤)とビアンコ(白)を意味しているようですが、色はピンクがかった紫と白のグラデーションカラー。ローズ色にも見えます。アクが少ないことと、肉質が緻密なことからオリーブオイルとの相性が抜群。日本ではまだ栽培されている農家さんも少なく、なかなかお目見えしない高級食材のようです。賀茂ナスよりもあっさりとした味わいで、とてもジューシーです。

⑧西洋なすリスタダデガンディア(Listada de Gandia)
フランスの在来種のなすで、特筆すべきはその外見。くっきりした赤紫と白のまだら模様はとにかく目立ち特別感があります。名前はどうやらスペイン語で「リスタダ(縞模様)デ(の)ガンディア(ガンディア地方)」の意味合いがあるようです。確かにとっても綺麗な縞々です。気になる味ですが、よくクリーミーな味わいと例えられるようです。こちらも油との相性は抜群。ぜひ揚げナスでご賞味ください。逆に言うと、煮炊きには全く向かないです。うちで販売する際にはネームタグに「揚げナス専用 リスタダデガンディア」と書くこともあるほど揚げナスに最適です。


⑨西洋白なすラテ
ぷらぷら嫁一押しのなすがこの白なす「ラテ」です。イタリアが原産で純白でつるんとした千両なすのような形。一押しポイントは甘味が濃い!こと。やや薄切りのスライスにしてオリーブオイルで両面こんがりきつね色にグリルでぜひどうぞ。悶絶級のトロッと感と香ばしさ。味付けは塩コショウだけで十分満足できる逸品です。

なすのアレンジレシピ
今回は埼玉青大丸なすをつかった「なすの炊いたん(京都風な言い方)」をご紹介。
(材料 2人前)
埼玉青大丸なす…2個
ショウガ…1かけ
昆布…5センチ角 2切れ程度
醤油…大さじ2
水…300㏄
塩…ひとつまみ
お好みでみりんや山椒、三温糖など
①埼玉青大丸なすを1口サイズに乱切りし、水にさらして軽くあく抜きする。(※うちは皮つきですが、仕上げの色をよくしたい場合は皮むきしてもOK。火が通りやすくなります。)
②あらかじめ用意した鍋に塩、昆布、水、ショウガ(千切りでもすりおろしでも可)を入れて沸騰しない程度に温める。
③①を入れて弱火で水分が半分程度になるまで煮込む。
④最後に醤油を回しいれてなじんだら火を止めて冷ます。
暖かいままでも美味しいですが、冷えるとさらに美味しく感じます。ショウガのアクセントが食欲をそそりますよ。

古くから育てられ親しまれている「なす」。沢山の種類があり、食べ方も各々適正があって知れば知るほど面白い食材です。
まだまだ暑さが続きますが、なすを食べて暑気払いしてみてください。以上、「ぷらぷらのお野菜紹介 なす」でした。

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