■blog vol37:ぷらぷらのお野菜紹介 プンタレッラ

畑のあちこちにホトケノザやオオイヌノフグリなどの小さな花たちが咲き乱れております。
そろそろ果樹のアーモンドや蟠桃、ジューンベリーなども花を咲かせそうです。春を感じている広報担当・嫁です。

今回は、春に見られる「花芽」を食べるお野菜のご紹介。日本ではまだまだ認知度が低く、
流通も僅かな高級食材ホロ苦シャキシャキ「プンタレッラ」のご紹介です。

プンタレッラってなあに?
キク科キクニガナ属のイタリア野菜で、分類としては「チコリ」の仲間になります。
チコリもそのシャキシャキ食感でイタリア料理に多用されているお野菜ですが、このプンタレッラは独特のお野菜。見た目は太い目の水菜のようにも見えますが、よくよく見ると花芽が付いた花茎が集まった姿です。各々の花茎の中が空洞でシュッとした形であることから別名「アスパラガスチコリ」とも呼ばれています。
日本ではほぼ見かけませんが、宮城県で一部栽培され流通しています。宮城県とローマは友好姉妹県であるため平成18年から「プンタレッラプロジェクト」と称してその知名度を上げる推進をしているようです。プンタレッラのゆるキャラも存在しています。
原産地の地中海地方では広く野生化しているらしいです。名前の由来はイタリア語の「プンターレ(尖った、棘)」だそうで、恐らく葉先がツンツンと細かく枝分かれするその姿から名前が付いたようです。イタリアのローマ地方では市場で11月~3月頃になると山積みされるお野菜だそう。
日本で見かけたら大きな水菜の株と間違えそうなフォルムです。

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面白い特徴のあるプンタレッラ
小さい頃に、タンポポの茎を縦に割いて水に漬けると、茎がくるくるとカールをする草花遊びをしたことはありませんか?このプンタレッラもタンポポと同じキク科の植物。ですので中空の茎を割いたり、繊維に添って千切りにすると
時間とともにクルクルと丸まり、まるでパスタのような姿になります。

プンタレッラの使い方
水菜の株のようになっている内側には花茎が複数詰まっており、それぞれをばらすと1つ1つがアスパラガスのような形になります。
中が中空になっているので手で縦に割いて冷水に晒してください。水に晒すことで苦味が和らぎ、ぱりぱりの食感が楽しめます。
苦味が苦手という人は1時間程度水に晒して、さっと茹でたり炒めて使用してもOK。本場イタリアでは生のプンタレッラにアンチョビとオリーブオイルを和えてサラダにするそうです。濃いめの味付けと合うので、生ハムで巻いてサラダにしたり、お肉と炒めたり、お魚料理の付け合わせにも。チーズやトマトと一緒にパスタソースにしたりも美味しいです。普段のサラダに刻んで入れるだけでぐっと大人の味になりますよ。

苦味ってどれくらい?
残念ながら苦味に関しては、唐辛子の辛味成分を表すスコヴィル値のような、苦味成分の指標がないようです。
苦味の成分にもいろいろな種類があって、例えばコーヒーの苦みは「カフェイン」由来。ほろ苦さで気分がスッキリします。
ビールの苦みはホップに由来する「イソフムロン」。ゴーヤの苦みは「ククルビタシン」。きゅうりなどの瓜科、ズッキーニなどのかぼちゃの仲間に含まれ、過剰に摂取すると食中毒の原因にもなるそうです。
プンタレッラの苦みは、チコリやレタス類にも含まれる「ラクチュコピクリン」に由来しているそうです。新鮮なレタスの軸を切ると白い汁が出ることがありますが、ここにラクチュコピクリンが含まれます。苦いだけでなく、鎮静・鎮痛作用、安眠作用が得られるそうです。
気になる苦味ですが、超個人的な感想として緑のゴーヤ(生)>ビール>プンタレッラ>ピーマン>ロメインレタス…という感じでしょうか?もちろん調理方法や収穫時期、ビールに至っては種類によっても大きく変化しますが。
ですので「食べられないような苦さではない」と、思います。苦いと聞いて食べるのやめようと思った方はご安心ください。
春が旬の食べものには山菜をはじめ苦味成分が入っているものが多いと耳にしますが、春野菜には植物由来のポリフェノールやアルカロイドが含まれているものが多く、冬の間にため込んだ身体に不要な老廃物を体から排出し新陳代謝を高める効果があるそうです。そのため、これは身体を冬から春に切り替えるために必要な成分が入っているからだという話も。苦味成分を上手く活用し身体をスイッチするのにも役立つお野菜かもしれないですね。

じつは高級食材プンタレッラ
輸入品のプンタレッラの日本での相場は1㎏2000円~3000円。日本産のものでも産直などで1㎏1000円前後と随分お高い食材。鮮度を保つのが難しいことや、まだまだ流通していない事も原因でしょうか?
この食感、ほろ苦さは他のお野菜では代えがたいので、見つけたらぜひぜひトライしてみてください。

プンタレッラの栄養価
気になる栄養価ですが、ビタミンC,β-カロテンが豊富なようです。
部位によっても含まれている成分が異なります。ビタミンCとβ-カロテンは抗酸化作用があり、細胞の酸化を抑える働きがあるといわれています。
※プンタレッラそのものの数値を示したデータが少なく、食物繊維、β-カロテン、ビタミンC以外のデータはチコリを参照しています。

プンタレッラの育て方
当畑では今回初挑戦で晩秋に苗を作り植えましたが、その後成長がパタリと止まり…それもそのはず、プンタレッラの生育温度は15℃程度が必要だそうです。ただし耐寒温度がそこそこ低く、-3℃まで大丈夫であったため京都の冬を超え、この春ぐんぐんと成長。冬には平たいロゼット状に展開していた葉も春に中央から新芽がわき出して著しい成長を遂げました。
露地栽培の際は霜に当たらないよう、冬場は不織布などをかけることをお薦めします。特に肥料も必要とせず強健なイメージです。
生育温度の15℃に達すると急激に育ち出すため、収穫時期を逃さないようにしましょう。長さ30㎝以上と大きくなりすぎると食味が悪くなるそうです。

まだまだ日本では流通量が少なく知名度の低いお野菜「プンタレッラ」
いかがでしたでしょうか?興味が沸いた方はぜひぜひ栽培にも挑戦してみてください。
以上「ぷらぷらのお野菜紹介 プンタレッラ」でした。