■blog vol29:ぷらぷらのお野菜紹介 キクイモ
10月も半ばを過ぎやっと秋が深まったように感じます。広報担当・嫁です。
今回はエネルギーに満ち溢れるお野菜「キクイモ」についてご紹介します。
キクイモについて
キクイモの英語名はJerusalem artichoke(エルサレムアーティチョーク)。
とはいうもののキクイモはキク科ヒマワリ属なのでアーティチョークの特徴は一切ありません。
調べてみると、イスラエルの都市エルサレムとは関係がなく、 古いイタリア語ではキクイモをGirasole Articiocco(ジラソーレ・アルティチョッコ)と呼んでいたそうで、
「ヒマワリ・アーティチョーク」の意で、このGirasole をジルーサウルと発音して Jerusalem (ジュルーサラム)と混同し、英語で Jerusalem artichoke というようになったという説があるそうです。
アーティチョークの名前が付いたのは、キクイモの味がでんぷん質でアーティチョークによく似ているからのようです。
おお、言われてみればそうかも。ほんの少しほろ苦さがあって、メークインを薄めたようなしっとり食感です。
ヒマワリ属なだけあって、花は綺麗な黄色でキク科の特徴を有する鮮やかな花が咲きます。
うちではキクイモの花は切り花として販売もし、お客様には好評。飾って楽しむことも出来、花びらはエディブルフラワーとしても楽しめます。花期はヒマワリが終わる9月ごろから咲き始め、10月半ば頃まで随時楽しめます。枝咲きするので、主枝を剪定した後は側芽からまた花が付き出します。お客様から「このお花とっても日持ちが良くて大好きなの」と声がけ頂いたことがあります。お花屋さんではきっと取り使わない花材ですが、こんな風に楽しむこともできます。
キクイモの育て方
キクイモは北アメリカ原産で世界中に外来種として定着し日本には1850年~1860年頃に導入され、全国各地で見られるようです。
とにかく繁殖力旺盛。放置栽培でも充分収穫できるお野菜です。過去にはあまりの旺盛さから雑草扱いをされていたこともあるそうです。ただし畑での栽培の場合、連作には不向きのようで、同じ土地で翌年も収穫…と思って芋を植えると上手く行かないみたいで、当畑でも昨年は放置していた場所からひとり生えのキクイモが山のように出てきましたが、収穫前の長雨で立ち枯れを起こし、芋が形成される前に枯れてしまいました。
恐らくですが、土の養分やミネラル類を多く求める植物なので、連作すると生育に必要な同じ成分が不足しがちになるのだと思います。(大抵の連作障害はこの傾向が見られます。)
キクイモは霜の心配がなくなった4月下旬~5月初旬を目途に芋(塊茎)を植え込みます。
土壌は特に選ばずどこでも元気に育ちますが、高さが2~3mにもなるため周辺の植物の生育に影響が出ない場所を選ぶ方が良いと思います。深さは20センチ程度、塊茎同士の間は50~1m程度空けたほうが込み合わずに育つようです。(うちでは例のごとくギュウギュウ植えですが。)
暖かくなるとヒマワリに似た芽が育ちぐんぐん茎が伸び始めます。ヒマワリ属の特徴ともいえる固い産毛が全体に見られます。水やりは控えめでも充分育ちますし、夏の暑さにはとても強いです。
初夏には背丈を超えるくらいに育ってきますので、倒れないように支柱をするなどが必要になります。当畑では2m程度の支柱と麻ひもを使って囲いを作って管理しています。
際立った害虫は発生しませんが、葉っぱを食害する毛虫類が発生することがあります。キクイモが土中に芋を作り出すのは花が咲き終わる秋頃です。
今年は9月に花が咲き出して、試しに堀った際はほとんど芋が出来ていなかったのですが、10月に入って再度掘ってみたところ、たった1か月で沢山のイモが出来ていました。今年は長いこと暑い日が続いたため芋の生育が遅かったのもあるように思います。適期の見極めって大事だなあと思った次第です。
キクイモの栄養価
気になる栄養価はこちら(引用:食品成分データベース キクイモ(生)100gあたり)
多糖類イヌリンを含む食物繊維であり、生の菊芋には13-20%のイヌリンが含まれます。イヌリンは腸内細菌の餌になるため腸内環境を整える効果が期待できます。また、血糖値の上昇を抑える働きがあるため、ダイエットにも良いと言われています。通常の芋類と異なりデンプンが少ない特徴を持ち、成分としてはカリウムが豊富です。
美味しいキクイモの見分け方
キクイモは収穫し土を洗い落としてしまうと日持ちが悪くなりやすいそうです。(冷蔵庫で約1週間以内。)良いキクイモは丸くふっくらしており、持った時にハリがあります。日が経つにつれて水分が抜けてしなびて来るのでご注意ください。
キクイモの調理方法
料理としては牛乳煮、バター焼き、フライ、スープ、味噌漬け、煮物など。また、イヌリンは消化によってオリゴ糖の一種キクイモオリゴ糖(イヌロオリゴ糖)となるため、健康食品として顆粒やお茶として加工され市販されています。さらに、飼料や果糖の原料にもされるそうです。生で食べると梨のようなみずみずしさとほのかな甘みがあって独特の野性味あふれる香りがします。基本的には熱を加えて食べることが多いかと思います。熱を加えた後の食感はメークインのようなしっとり系のお芋。表面の皮や紫がかった芽も加熱して一緒に食べられます。(ジャガイモのような毒になる成分、ソラニンは含んでいません。)
キクイモの簡単レシピ
キクイモの独特の香りが気になる方にはマヨネーズをおススメします。適当なサイズに切ったキクイモを10分程度さっと茹でて水切りし、塩、胡椒、マヨネーズ適量を和えて箸休めに。うちでは他の季節のお野菜と合わせてサラダにしています。
お客様からはキクイモのポタージュスープが簡単で美味しいともお声頂きました。
食欲の秋、いろいろ食べたい欲求にかられますが、キクイモを食べて血糖値コントロール、腸内環境整備をしてみませんか?
以上「ぷらぷらのお野菜紹介 キクイモ」でした。
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